魔術の時代

人々にとって、魔法とはもっとも貴重な力の源だった。
アルファーなどエルフにとって魔法はより近しい存在だったが、
この時代より人間やノームといったエルフ以外の種族の間で、
急速に魔力が芽生え始めた。
"灰の教団"と呼ばれる選ばれし魔道士のギルドが、人間やノームといった
"若き種族"の中に魔力の覚醒を見出し、アルカナ大学と共同で研究を進めていった。
魔力の開花は巨人族にまで広がった。
エティンやジョダンといった巨人族が魔法を使い始めただけでなく、
特に中王国時代にマイルーと呼ばれる丘巨人の一団が興したカロエッサはより魔力に秀で、
他の巨人族よりも遥かに文明的な社会を築くまでに至った。
コルシア帝国の滅亡を通じて、ノームはしばらく中央集権的な国家を築くことがなかったが、
魔力が他の国々をユタカにしていくのを見て、聖堂騎士たちはついにその時が来たと確信した。
彼らはフェイの魔力にあふれるデティア地方に大都市アデッサを築いた。
ノームの学者たちは魔法や魔導器の研究をかさね、
ついに人体蘇生の秘術"魂の泉"が実現しようとしていた。
その実現には豊富な"実験体"の供給が不可欠だったが、
一部の学者にとっては幸運なことに、フェイランドにて大きないくさが始まろうとしていた。
ウィンター・フェイの狂王ガドフローが自身の信奉者であるツアサ・デノーンを率い、
アルファーに対して"クリスタル戦争"と称する戦争を仕掛けたのである…。